はやり目
プールや海水浴の季節になりました。はやり目という言葉をよく耳にしますが、これはウイルスによる結膜炎のことです。
他人に感染しやすく、日常生活において注意が必要な病気です。
結膜炎は大きく分けると3種類あります。
<1>細菌性結膜炎
異物感、眼脂(目やに)、充血が主な症状で、抗生物質などの点眼で比較的はやくなおります。
<2>アレルギー性結膜炎(花粉症を含む)
かゆみが主な自覚症状で、結膜の浮腫、混濁が認められます。抗アレルギー剤の点眼を使用しますが、症状が強い場合はステロイドの点眼なども使用します。
<3>ウィルス性結膜炎(はやり目)
大きく分けて3種類あります。
流行性角結膜炎
アデノウィルス4,8,19,37型が原因。年齢は関係しない
咽頭結膜熱
アデノウィルス3,4型が原因。子供に多い
急性出血性結膜炎
エンテロウィルス70型を原因とする。大人に多く、しろ目(眼球結膜)に出血が起こる
図の参考資料 ウィルス性結膜炎 横浜市立大学 大野重昭教授
<ウィルス性結膜炎の治療>
ウィルスに対する特効薬はありません。
ウィルス(抗原)に対する抗体が自分の体の中にできるまで、症状が強くなることがあります。十分に休養をとり、体力を落とさないようにしてください。症状を軽くしたり混合感染を防止するために、抗生物質やステロイド点眼などを使用します。角膜に混濁など起こる場合もありますので、完全に治りきるまでには通院が必要です。
<感染予防の対策>
この病気は空気感染ではなく、感染した人の手や涙から接触感染で他人に感染します。
- 幼稚園、学校、職場は眼科医の許可がでるまでは休んでください。
- 目をさわったあとの手指は流水と石鹸でよく洗ってください。
- 手を拭くときは、ティッシュやペーパータオルを使い、ビニール袋に入れてすぐに捨てるようにしてください。
- タオルなどは他の人と共有しないこと。また患者さんの使ったタオルや茶碗などは煮沸し、よく乾燥させてください。
- お風呂にはいるときは、家族が入った一番最後に入り、入浴後は熱湯で風呂場を洗い流してください。
- 人混みになるべく行かないようにしてください。
- プールはウィルス性結膜炎の感染の場となることが多いので、気を付けてください。目が充血している時や眼脂(目やに)が出ているときはプールはやめましょう。
<まとめ>
結膜炎は種類も多く、症状や程度もさまざまです。
ウィルス性結膜炎は他人に感染する病気です。勝手に自己判断して、安易に市販薬を使ったりせず、必ず眼科専門医の診察を受けましょう。