ソフトコンタクトレンズの消毒
ソフトコンタクトレンズは大変快適で便利なため使用する人が増加していますが、使用する方法が適切でないため、感染やアレルギーなどのトラブルが増えています。 |
<1>ソフトコンタクトレンズを装用する時は、まず手を洗う
角膜の表面は、上皮細胞で覆われています。上皮細胞に傷がなければ少々目の表面に細菌、カビ、アメーバなどがやってきても病気になることはありません。しかし、目に異物感などがある時は、目にみえないような小さな傷があることがあり、感染のリスクが高くなります。
ですので、もっとも大切なのは目にこれらの菌を入れないことです。コンタクトレンズのはめ外しをする時は、必ず石けんで手を洗いましょう。
ソフトコンタクトレンズは大変快適で便利なため使用する人が増加していますが、使用する方法が適切でないため、感染やアレルギーなどのトラブルが増えています。 ソフトコンタクトレンズを安全に使用するためのポイントを以下に示します。 |
<2>ソフトコンタクトレンズは、消毒しない限り目の中に入れない
手がきれいでも、肝心のレンズが汚染していては話になりません。ですからソフトコンタクトレンズは消毒しない限り使用してはいけません。一番簡単なのは、1日使い捨てのソフトコンタクトレンズを使用することです。新品はすでに消毒されています。
2週間使い捨て、1ヶ月使い捨て、あるいは従来型の寿命まで使用するソフトコンタクトレンズは、外した時に消毒しなければなりません。その際に消毒剤として最も普及しているのは、MPS(マルチパーパスソリューション)と呼ばれる、洗浄、保存、消毒を1本でできるものです。次に普及しているのは、過酸化水素水の消毒薬です。
<3>ソフトコンタクトレンズのケースは定期的に交換する
せっかくレンズを消毒しても、レンズを保存するケースが汚染していては、コンタクトレンズも汚染してしまいます。レンズケースは毎日しっかり洗い、自然乾燥させることが重要です。ケースを長期間使用していると、カビが生えたり、細菌がバイオフィルムを形成して消毒されにくくなることが知られています。ですので、ケースは3ヶ月を目安にして、定期的に新品と交換しましょう。
<4>消毒薬の効果には限界がある
コンタクトレンズを消毒しても、すべての細菌、カビ、アメーバを死滅させることができる訳ではありません。あまり、消毒効果を強くすると、今度は目の表面が、その毒性で痛んだり、アレルギーになったりします。日頃、手を洗う際にこすって汚れを取り除き、そのあとすすぐように、コンタクトレンズの表面をこすり洗いして、その後レンズを十分すすいで汚れなどを洗い流すことによって、細菌、カビ、アメーバを除去することができます。
また、同時に汚れや花粉なども取り除くことができますので、アレルギー性結膜炎の予防にも有効です。また、コンタクトレンズを装用する前にも、すすぎ洗いすることが大切です。
<5>消毒剤を適切に使用する
消毒剤にコンタクトレンズを漬けるとすぐに消毒されるわけではありません。指定の時間以上保存することが必要です。
また、ケース内の消毒液をつぎ足したり、大きなボトルの消毒液を長い間使用すると、消毒液の効果が弱くなってしまいます。もちろんレンズケース内の消毒液は毎日新しいものに交換することが大切です。
<6>定期的に検診を受ける
自分では気づかない病気の前兆やレンズの汚れなど、定期検査を受けて入れば発見することが可能です。コンタクトレンズ装用による目のトラブルを経験した人には、定期的に検査を受けていない人が多いことがわかっています。
医師の指導もなく、使用説明書を読まないで誤った使用方法を正しい方法と思いこんでいると危険です。目の健康を保つために、眼科に定期的に受診することが大切です。
<7>コンタクトレンズ、レンズケア用品は清潔な場所に保管する
コンタクトレンズやレンズケア用品を、細菌やカビが生えやすい場所に保管していると、レンズ、ケース、ケア用品が汚染されるリスクが高くなります。コンタクトレンズ、レンズケア用品は清潔な場所に保管しましょう。
<8>異常があれば、レンズの装用を中止して、すぐに受診を
充血、異物感、視力低下など症状があれば、その原因を探して、取り除かないかぎり、症状が重くなってしまう可能性があります。そのためには、眼鏡をつねに用意しておくことが良いでしょう。無理をしないですぐにコンタクトレンズの使用を中止して、眼科を受診してください。
コンタクトレンズは大変便利なものですが、トラブルにならないように、装用者が自覚を持って安全に使用する必要があります。